The Social Network
2010米

評価4


マークザッカーバーグという存在がこれほど魅力的とは。筆舌しがたい。








地上波での録画を初見。
淡々としていた。面白かったです。
ただああいう作りだと、主人公に興味を持てなかったひとはつまらなかったかもしれない。
自分は十分にのめり込めました。

三つの訴訟がとりかえひっかえ織り混ぜられていて時間軸が意味不明。最初とても混乱した。主人公の数々の問題行動も徐々に明らかになってくる
話づくりの前後関係というか、流れが面白かったしうまいと思った。主人子がどういう人間か、まわりがどう変わっていくか、振り返りながら、訴訟シーンで前進しながら、明らかになっていく。
なによりエンディングが。ビートルズのbaby you're a rich man

少しの滑稽さといい、少しのもの悲しさといい、一本とられた。主演のジェシーアイゼンバーグがとても良い演技をしていた。



以下ねたばれ含みます



一番ぐっときたシーン(胸をえぐるシーン)はマークとエドゥアルドの訴訟シーンで、二人の過去の楽しいシーンつまりパーティとか新しい人間を雇うためのテストのシーンとか部屋で話した会話のシーンとかを振り返りながら、その発言について現在の二人が弁護士を交え言及するところ。楽しい思い出、二人だけの思い出、笑って忘れられるようなささいなこと、そんな一時のはずだったのに、マークという存在が表に出れば出るほど、そんな優しい時間は全て引っ張り出されて、多数の人間にひっかきまわされて、揚げ句肝心の二人がその思い出にとどめを刺すことになってしまう。
これだけは忘れられないシーンとなった。
実際にこういうことだった、ということ。
本当に悲しくてしょうがないはずなのに、親友だった二人はここまで対立してしまったのかと。二人のナレーションなどなしに淡々と描いてくれたおかげでますます胸をえぐられ、秀逸だと思いました。


個人的には、マークザッカーバーグという人間がどういう人間なのか考えるのが一番面白かった。

エドゥアルドのような常人と同じ地に立てない、すべての常識から逸脱する、頭だけ先走って身振りが置いてきぼりにされて社会から逸脱してしまう孤高の天才か。
一つのことに熱中し始めると驚くべき頭脳で最善の作を模索しそのためなら全てを切り捨てる。切り捨てたあとにようやく、常人の感性に触れて焦り出す。
一度欠点を見つければもう相手にはしない。
双子のアイディアから着想を得てそれをより「クール」に革新させるシーンは、彼の性格をよく表していた。
誰よりも人との関わりが薄いにも関わらず大衆の心理が冷静に読め、大学生たちの欲を人間の感性の法則をしっかり把握している。

マークはなぜここまでフェイスブックにこだわったのか。彼は、もうもとの暮らし、有名になる前の自分に戻るのはごめんだと言った。彼は、元カノやエドゥアルドに、自分でもよくわからないまま執着していた。その感情は、彼が敬愛していたショーンパーカーへ抱いていた感情とは別のものだ。
常識を逸脱する人間がなぜ?

と考えていったら、答えは一番初めのケンカのシーンから見えていたかもしれないという結論が出た。彼にとって、エリカもエドゥアルドも大事だ。エリカは好きになった人であり、エドゥアルドは彼のことをなんでも受け入れられる親友だった。ある時点まで。
彼は、普通の、19才の青年だ。



彼がその才能を見事に発揮し有名になるほど、より自分の慣性に磨きをかけその慣性への自信を持てば持つほどに、彼は、彼においつけない社会から圧迫される。彼にとって大事なものは次から次へと離れていってしまう。
彼はそう望んでいないのに。

そういうことね、と気づいてから迎えたラストはとてもぐっときた。baby you're a rich manのメロディにのって。