1991米
The Silence of the Lambs

評価5

グロテスクに隠されたクラリスとレクターの関係に注目


初めて見たことを後悔した映画。
その映像の悍ましさに吐き気を覚えたが、ホラーじゃなかったので最後まで見られた。ただ、びびりすぎて話自体に全く集中できなかった。そして見終わってからまさかの「?」。

後から思うに、これは、主人公クラリスと精神科医レクターの心理戦が見物なのだろう。レクターを演じた俳優が凄い。レクターという存在がすごい。クラリスがいる「正常」と思われる世界と異常のいる「異常」と思われる世界のど真ん中にいる感じ。というよりむしろ、「正常」と「異常」を抱え込んで超越してしまっている感じ。全てお見通し。我々から見て異常な行為をまるで当然のように、「正常」なように行う。「君は人生を楽しんでない」的な事(覚えてない)を言っていたが、もう別次元の話に聞こえてしまっていた。レクターはたくなみな誘導で屈強なクラリスの心をえぐり、掌握する。

「羊たちの沈黙」とは。羊はクラリスのトラウマで、人質とリンクする。レクターは「泣き声が止んだら…」と囁く。果してどういう意味だったんだろう。

初めて
これはもう一度みなければ、と思った作品でもある。レクターの誘導についていけなかったのが痛かった。もう映像にびびる事はないだろうから(多分)、物語やその下にひいてある意味に集中してもう一度見たい。

と、思ったときにはすでに録画データを消してしまっていた・・・


このシリーズはまさに、レクターとクラリスのラブストーリー。
とんでもない。ほんとに。